置いておいて

オタクの雑記です

ブルーピリオドの八虎くん

ブルーピリオドが面白い。美大入るまでも面白いけど、美大入ってからがもっと面白いです。主人公の八虎くんが色んなことに悩み続けます。
八虎くんは、人間や人間を取り巻く環境に興味があります。彼の場合、人間を知ることが知識欲を満たす手段ではなく、自分の身を守る手段になっていそうな気がします。
彼は他者から見た自分(の作品)を結構気にしているようで、他者から攻撃されないように相手の望む答えを出そうとする節があるように見えます。実際には攻撃されているのではなく、他者の感想や発言を深読みしたり発言の一部だけに焦点を当てて自爆しているようですが。

また、人の言葉を真に受け過ぎたり参考にしすぎたりする傾向もあり、2022年5月現在の最新12巻にて、アートコレクティブ(アート集団)にのめり込んだ久山くんの「大学なんか何も教えてくれないし、辞めようと思う」という言葉に惑わされたりします。
でも学校が何も教えてくれないんじゃなくて、相手の発言を具体的に掘り下げないから明確な答えが返ってこないんじゃないのか。検索する言葉が曖昧で知りたいことに辿り着けないという事は日常でよくあるので分かるし、先生も怖くて質問し辛かったり抽象的な答えしかくれなかったりするかもしれないけど。 ていうか実際に大学で色々な技法とか教わったの忘れたのか八虎くん。

教授の発言を掘り下げず、今の自分に必要かもしれない情報を汲み取れないまま「嫌なこと言われた」で終わってしまうのは勿体無いなあと思います。
でも一方で、誰かの言葉の上澄みを掬ってもやもやしたり悩み続けるキャラでいてほしいなとも思います。


あと12巻の犬飼教授の真意が知りたい。個展を開いてる作家に「どこの美大出身?」と質問し、相手が「独学なので美大は出ていません」と答えると「そうだと思ったんですよね」などと嫌味っぽい発言。
このやりとりを目の当たりにした八虎くんは「大学行くことがそんなに偉いのか?学歴は作品に関係あるのか?」と考えます。
確かに犬飼教授の言葉は「下手だから美大出てないと思ったけどその通りだったわ〜(嘲笑)」のように受け取ることもできます。でも「どこの美大を出た?」、「そうだ(美大を出ていない)と思った」としか言っていません。どこの美大を卒業したか訊いただけだし、絵については上手いとも下手とも言ってないし、美大出てるやつが偉いとか学歴に絵が関係あるとかも言ってないんです。
何故その発言に至ったのかは本人に訊かないと分かりません。漫画なので上記のやり取りの後に教授がボロクソ言ってる部分を省いた可能性も否定できませんが、読者目線だとまだ何も分かりません。八虎くんは教授がなぜそう言ったのか訊くべきだったなと思います。八虎くんがこのまま自己完結し続けて育つと、人の発言を深読みしすぎてクソリプ送る人になっちゃう‪…‬違うか‪…‬。


なんだかんだ1番好きなのは八雲さんなので、もっと八雲さんの出番を増やしてください山口先生。