置いておいて

オタクの雑記です

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト の感想3回目

鑑賞3回目に行ってきたらまた感じることがあったので、書いていきます。ネタバレあります。久々に1つのアニメに狂っていく感覚が味わえていて良いです。

ざっくり感想と過去2回の振り返り

今回が1番泣きました。ある程度咀嚼した上で観ると全然違いますね。前回、前々回の記事で述べたことの中でより強固になった考えと、違うものに変わった考えがあって面白いです。自分でもあまり納得いかなかった部分はやはり違う考えに至りました。

鑑賞1回目は、音楽と映像の奔流に身を任せて快感を得ることだけしか考えていませんでした。これはこれである意味1番楽しんでいます。
2回目は、歌詞を覚えていったせいで歌に意識が向いてしまいました。ここで少しずつ会話の内容を頭に入れ始めています。
今回3回目では、やっとフラットな目線で観られたような気がします。フラットに観ても爆泣きしちゃうんですけどね。むしろ冷静だからこそ会話の内容をちゃんと考える余地が生まれて泣いてしまう。

今回感じたこと

今回感じたことをアイテムやシチュエーションごとに述べていきます。

トマトについて

2回目の記事で、トマトは「『ト』で始まり『ト』で終わる」ことと、「ト」≒「T」≒「ポジションゼロ」という考えから、舞台から次の舞台へと導くアイテムのような役割もあるんじゃないか、つまりこれを食べることは次の舞台へ立つという誓いとか決意のような意味があるんじゃないか、というようなことを述べました。なお、単純に舞台に立つためのエネルギー源としての役割があるとも思っています。キリンさんがそんな感じのこと言ってましたしね。
この考えについては今回の鑑賞で個人的に納得できると感じました。

99期生は、ななに皆殺しのレヴュー(後述)で打ちのめされた後生まれ変わる決意をします。
その際にトマトを食べる描写がありますが、これはまさに直前のスタァライトの未完台本に書いてあった、「古い肉体を捨てて新しい体に血を注ぐ」行為だと思いました(正確ではないですが大体こんな感じのことを言っていたような気がします)。新しく生まれ変わって次の舞台に立つ決意をしたのだと。
なお、華恋とひかりはその時点でトマトを食べません。というかその場にいませんね。

華恋がひかりの元にたどり着いた時、ひかりは口の端から赤い液体を垂らしています。トマトを齧っているからです。つまりひかりは次の舞台に立つ決意をしています。(まひるとのレヴューで逃げ回ってたのはトマトを食べる前=舞台に立つ決意を固める前だったからですかね?)
しかし華恋は、自分の後ろにあるトマトに気付きません。ひかりのことだけを見ています。ひかりと同じ舞台に立って、その後のことは考えていないので、華恋には次の舞台がありませんし、舞台に立つ決意ができていません。舞台少女は舞台に生かされているので、舞台に立つ覚悟のない華恋は死んでしまいます。

その後復活(後述)した華恋は「最後のセリフ」で「ひかりに負けたくない」と言いました。つまりひかりと共に立つ運命の舞台ではなく、ひかりと張り合って次の舞台に進むことを目標にするという決意表明だと思いました(華恋から放出された大量のポジションゼロは、舞台に立ち続ける覚悟と決意の証かなと思っています)。そして次の舞台に立つためのエネルギーとして、トマトをひかりから受け取りました。
みたいなことを考えていました。観れば観るほど発見があって良いですね。トマト。俺が勝手に言ってるだけですけど。

皆殺しのレヴューについて

これ、映像と音楽に圧倒され過ぎて今回までよく分かってませんでした。

ななが「だからオーディションじゃないって」みたいなこと言ってましたね。このレヴューで、ななは演出家として皆に舞台少女としての死を自覚させる役割があるのかなと思いました。というか実際に「あなたたちもう死んでるよ」とか言ってた。
「燃え尽きてんじゃねえよ」と喝を入れてくれたみたいな感じですかね。次の舞台があるでしょうがと。舞台少女は舞台に生かされているので。ある意味新しい肉体への再生産の手伝いとも取れますね。という解釈をしました。
この後のレヴューは各々の因縁に決着をつけて、次の舞台に立つための覚悟を確かなものにしていくような流れですかね。

華恋の復活について

これも「なんか再生産されたわ(泣)」みたいな感じで、ちゃんと咀嚼できていませんでした。

前述の通り、華恋は舞台に立つ覚悟ができていないので死にますが、ひかりが華恋にまたお手紙を出します。このお手紙は、華恋を舞台に招待するための招待状ですね。つまりこれ果たし状ですよね。私とのレヴューに来いと。
舞台に招待されたのでバチバチにやり合う覚悟を決めた華恋は舞台少女として復活しました。という解釈をしました。

3つのループについて

前回の記事で述べた「この物語には3つのループがある」という説についてです。

3つのループ説は「3つの○を直線が貫くシンボルマーク」の独自解釈によって生まれたものですが、もはや3つという数字にはこだわっていません。「せっかく一度主張したので、もう少し納得できるこじつけがしたい」という気持ちのもとに考えています。
ループ1, 3は自分で納得できましたが、ループ2が全然納得できなくて色々考え直しました。

今回観て、ループ2で挙げた「幼い華恋とひかりが成長した自分達を観る演出」は、「幼い2人が、その日観た舞台女優に自分達の成長した姿を幻視した演出」かなと思い直しました。
なお、前回の主張では「2人の始まりと終わりが重なるので、幼い2人が成長した2人を観ている」という謎の脳筋理論を展開しました。一応こっちの説を補完すると、観客の要望に応えて追加のレヴューを演じたご褒美として「幼い頃に観た運命の舞台」に立つことができたのなら、「幼い2人が成長した2人を観る」という構図が生まれるかもなとは思いましたが、やっぱりこれは納得できなかったのでボツとしました。

そして、ループしているのは「華恋とひかりがトップスタァ(表記合ってるか分からない)になると決意するに至る『因果関係』」だと思いました。
華恋は、ひかりに招待されなければ舞台を観に行っていませんし、スタァを目指していません。一方、ひかりは舞台を観て怖気づいていました。本当にスタァになれるのかと。そのひかりを引っ張ったのは、華恋です。華恋がいなければひかりは諦めていました。
つまりひかりがスタァを目指すきっかけは華恋にあり、華恋がスタァを目指すきっかけはひかりにあります。お互いがお互いを引っ張り合って、初めて2人はスタァを目指しています。(華恋はひかりが連れてこなかったら舞台を知らなかったけど、ひかりは華恋がスタァを目指そうと言ってくれなければ舞台を諦めていたけど、華恋はひかりが連れてこなければスタァを目指さなかった‪…‬)やっぱりこじつけですけど、鶏が先か卵が先か、みたいなアレです。分からない人は「循環参照」でググってください。そういう類のループです。

なんにせよ、お互いの感情が一周してる構造めちゃくちゃ好きなのでここに気付けたのは個人的に良かったです。両想いとかじゃなくて、発端はどこにあるのかっていう話です(この場合はスタァを目指す決意の発端)。

まあ、テレビ版12話でひかりが「永遠に繰り返される虚無なる再演」に囚われてるので、これもループなんですよね。じゃあそれで良いじゃんって話なんですが、ただこじつけたかっただけなので。

ペン:力:刀について

毎回話してるし、観るたびに涙の量が増えています。

ななの「私の純那ちゃん」という発言、過保護なママみたいですね。純那を押し倒して写真を撮るシーンは、「フレーム」=「自分の枠の中」に収めたいという願望の現れなのかなと思いました。脚本・演出を学ぶのも自分の作った舞台に純那を立たせたかっただけっぽく見えます。
結局ななの本質はここまでであまり変わっていないような気がします。「ループし続けて、あの輝きの中で皆をずっと守ってあげる」という上から目線がなんだかんだで未だに払拭できていません。「届かないと分かっている星に、がむしゃらに手を伸ばす純那ちゃんが眩しかった」みたいなこと言ってますし。だからこそやっぱり、純那の「あなた今まで何見ていたの」がななにブッ刺さりそうで良いなと再認識しました。
「目が眩んでいるのはあなたの方よ」、これも凄く良いですね。そうなんですよ、ななは第99回聖翔祭のスタァライトが眩しすぎて、目が眩んじゃったんですよね。見るべきものが見えていないせいで上から目線過保護ママですし。「私が純那ちゃんのための舞台を用意してやるから」みたいな態度ですらあります。しかもこれ断ったら自害強要するんですよね多分。
純那のアンサーは「あなたの用意した舞台は全部切り捨てる。殺せるもんなら殺してみやがれ」でしたね。この子格好良過ぎるな。
過保護ママななから巣立った純那、純那離れで泣くなな、本当に良いですね。ぶっ壊れるくらい泣きました。
ここらへんにクソデカ感情を持ってる人とお話ししたいです。俺はまだじゅんななを理解できていないので。

わがままハイウェイについて

伊藤彩沙さんの声で脳が揺れる。以下好きなセリフ※うろ覚え

  • うっと‪…‬
  • うっといね
  • なんやその「お前のため」感
  • 鬱陶しくなったんやろ?
  • おい
  • 言えや
  • 大嘘つき!
  • 全部嘘やった!
  • 表出ろや
  • うちは、ほんまにしょうもないな
  • 縁切りとちゃいましたの‪?
  • 待たへんよ、そんなん置いてかれても

生田輝さんも好きなんですけどね。双葉より香子の方が色気強めなので‪印象に残りやすくて‪…‬…‬
「おい」、「表でろや」、「大嘘つき!」は個人的にベストボイスです。

芸が細かい

  • わがままハイウェイで出てくるデコトラのナンバープレートが、名前のイニシャル-出席番号になっている
  • MEDAL SUZDAL PANIC◎○●でまひるに折られたミスターホワイトの首がテープで補修されている
  • MEDAL SUZDAL PANIC◎○●でバックヤードの案内図が猫の形になっている
  • 華恋がピザ食べた後に指をすりすりして粉を落としている

など、細かい部分のこだわりが感じられて良かったです。 そんなこと言い出すと何回見ても発見ありそうですけどね。

以上、劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライト を観た感想の3回目でした。 ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。